君の瞳は僕を見てくれるの?

Could your eyes see me?

 

 

そんな顔しないで俺は笑ってる顔が好きなんだ。

足有士は俺の相方、背も羨ましいくらい高いし、

声も低くて大人っぽい。

隣に居ても俺は不釣合いで、跡部の事が羨ましかった。

 

「忍足、今日もサボりか・・・。」

 

隣で宍戸がウザそうに言った。

確かにここ1週間くらい、侑士は部活を無断欠席している。

 

あ〜あ、あんなに強いのに何でサボるんだろ?

俺だったら練習して強くなんのに。」

 

慈郎の声が頭に響いた。

 

「ジロー、お前だってサボってんだろ?

今日は珍しく参加してるみたいだがな。」

 

一番逢いたくない相手が現れた。

侑士が最近部活をサボる理由の奴、綺麗な奴。

 

「今日も忍足は無断欠席か・・・。

あいつ、授業の時は居たはずなんだがな。

まぁ、明日も来ないようなら準レギュに落とすまでか。」

 

俺は自分の拳を握り締めた。

コイツは分かっていない、侑士がどれだけ傷付いたかを。

そんな思いが頭を駆け巡った。

 

「跡部、忍足の奴。

部活サボって何やってんだ?

用事は無いみたいだし、帰り際無理やり連れて来ようとも

思ったんだけどよ、あいつ逃げ回って。」

 

 

『跡部、俺・・・お前に言いたい事があんねん・・・。』

 

 

出来ればあんな場面、出くわしたくなかった。

侑士が跡部に告白するところなんて、見たくなかった。

 

 

『お前の事、好きや・・・。って言ったらどうする?』

 

 

跡部が部誌を書いていた手を止めて侑士を見た。

 

 

『・・・俺は男と馴れ合う趣味なんてねぇーよ。

気分が悪い、そんな事男に思われてるなんてな。』

 

跡部はいきなり席を立って部室を後にした。

ドアの前で跡部は俺に言った。

 

『・・・向日、お前も変な奴には関わるなよ。』

 

自分にはどうする事も出来なかった。

侑士が傷付いたことも、跡部が気色悪がった事も

全ては自然な事だ。

 

『男同士の恋愛なんて成就するのは殆どないに等しい。』

 

侑士が昔、そんな事言ってた気がする。

 

「向日!何やってやがる、グラウンド30周して来い。」

 

跡部の怒鳴る声が木魂するけど俺にはどうでもいい事だ。

だって侑士以外の奴とダブルス組んでもつまらないから。

 

「おっおい!!グラウンドって言ってるだろう?!

何処行くつもりだ?」

 

昔へ戻りたい、侑士が当たり前に俺の側に居てくれた頃の様に。

君に思いを伝えたら僕を見てくれるの?

今、僕は君の元に走っている。

君を幸せにしたい、誰よりも幸せにしたい。  

不可能を可能に出来る2人に戻りたい・・・

 

あとがき

※読みたい方だけ反転してください。

 

 

価値観の違いでお互いに傷つけちゃう事ありますよね(悲笑)

恋愛の事、難しいですね。

BLってメジャー?なジャンルですが

現実、ホモセクシャルの人で

ヘテロセクシャルに恋したらかなりの

確率で失恋しちゃうでしょうね。

岳人はゲイの設定ではないのですが

大事な親友の事が気に成って仕方がない

みたいな感じで話を進めました。

ゲイ一歩手前みたいな?

最後、忍足を幸せにしたいとか言ってますが・・・

もう目覚めちゃった?手遅れか?

ガックンがゲイに成ったら忍足とくっ付くんでしょうかね?

でも忍足は拒否する気がします。

彼は人の痛みが分かる子だと思うので。

ガックンに同じ痛みを与えたくないと思うんです。

偏見や差別も好きな人には背負わせたくない

みたいな、カッコつけですね。

自分がゲイであると告白する事

自体、勇気のいる事なんでもう少しの間、忍足くんは逃亡させてあげて下さい

自分の気持ちを伝えて彼なりに満足だと思うので

もし、ゲイが当たり前の世界だったら

跡部は何て返事をしたか・・・

恋愛は自由じゃないですね。